中世の華 - 黄金テンペラ画の世界
目黒区美術館で開催の黄金テンペラ画の復元模写とそれによるテンペラ技法の紹介を観覧
現物の70%サイズで同じテンペラ技法で再現模写された 受胎告知。
ポプラやシナノキの板に石膏を薄く載せて平滑にした上で、金箔を6層程度貼ってさらに平滑にしたモノがベース。
これに
顔料を卵黄をメディウムにして彩色するテンペラ技法や、それをメノウの筆で擦り取るコトで下地の金彩で模様を描いたり、金箔部分に刻線で描画することで天上からの存在や綺
蹟の瞬間を表現している。
右の聖母マリアがまとうマントの青はラピスラズリから作る顔料で描くのがルールだそうで、画材だけでの恐ろしく豪奢なのが黄金テンペラ画ということになる。
マリアの光背は金箔部分を細かく刻印したり刻描することで表現される。
白い百合が入った花瓶は金箔の下地が透けるように彩色されている
「人の肌色のテンペラ画材に使うのは町の鶏の卵黄が白くて良い。田舎の卵黄は色が濃いので適さない」らしい。
木製の捩じり表現となっている額縁飾りに金箔を幾層も貼り、凹んだ側を艶が出るように研ぐことで奥行と素材感を強調するのだそうな。
服の模様の金部分の内側も刻印で模様と立体感を強化
再現模写の作業部屋の再現
黄金テンペラ技法での新作絵画
フィレンツェの街並み
黄金地に透過率の高いテンペラ画材を使うからか、彩度が鮮やかで明るく発光しているような画面になっている。
アルノー河
テンペラ画材や油絵具など絵の具造り体験ワークショップもやってました。
オシマイ