DEATHファッション展 ~19世紀の危険な洋服と知られざる美の構造~

渋谷のギャラリー大和田で 2025/04/18~05/14 開催の19世紀の洋服の構造の変遷を実物を見て、触って観覧できる展示会に行ってきました。


入場してスグのトコロでは 女性用乗馬服の展示








































 



































 

 

この金属製のチェーンは スカートリフター
丈の長い乗馬用スカートの裾を上げて止めるためのもの

 




このスカートと右のジョッパーズパンツを合わせて着る女性用乗馬服



ジョッパーズパンツ






このスカートは乗馬袴のような構造となっている。





スカート前面の布を右足側のボタンに留めると 普通のスカートのように着こなせる


スカート前面の布を左足側のボタンに留めるとズボンのように分割した構造が活きて、馬に跨って乗ることができる。





会場のアチコチにある展示説明もコネタが散りばめてあって面白い。







「ピンク」と呼ばれた狩猟用コート








使い込まれて 褪色していくことも重要な価値だった







 

使用人にも厳密な序列があり、仕える家の格式ともども服で明確に示されていた










本展の目玉、服の構造の調査・解析



 






スカートのシルエットを大きく膨らませるための「クリノリン」の解説









クリノリンが馬車のドアに引っかかって転倒する事故の様子



強風に煽られたら飛んでしまうぞ! という 戯画



実物を見て、触ってができるので、このクリノリン ドレスの下に潜ることが可能



クリノリンのフレームがまるで硬式飛行船のようなスカートの構造が判る。



 
「布が希少だったので、リメイク・再利用を前提にパターンで切らずに縫製した時代のドレス」を裏返しで展示。
これにより どのような縫い付けで組み上がっていたかが確認できる。







上半身の背中も形を作るために縫うけど、余った布地はそのまま断ち切らずに残している。



スカートもウエスト周辺で余る布を折り畳んで重ねて縫ってある。
布地を切ってないので、後からココを解いて縫い直すことで サイズの調整や服としてのシルエットの変更も可能となる。
















 



 



























 


ダーツの縫い目を解いても 布地が残っているのでサイズアップができることになる。




 

 

 















 













 





 










































19世紀初めの男性服






 








 





 

































厚手のウール仕立てのコートを着て、馬車と並走するという 過酷な職種
























 















会場の奥には 試着できる服が用意されてました。




















一点モノと考えたら格安。












フランス革命を契機に男性服はシルク製で刺繍で飾るスタイルから、ウール製で服のシルエットを競う時代になっていったらしい。



 


































 







庶民(中流階級より下)の服の構造












フルカラーで400ページを超えるボリュームなのに本体価格4200円という格安な豪華本。
会場で購入すると 税込5000円と 380円割高なのだけど、この展示の主催者 長谷川さんが生地メーカーと共同で復活させた19世紀末の高級ウールの布地サンプルがもらえる。














 








































19世紀の服の調査・解析と修復の様子

















そうして 修復されたドレス




布地が量産されるようになった結果。



























人工染料の開発は 安価で鮮やかな色彩をもたらすと同時に その毒性という恐ろしい悲劇を招いた














 

「バック トゥ ザ フューチャー3」は 1885年のアメリカ西部が舞台。
この映画のヒロイン クララ・クレイトンが すみれ色の服を着ているのは当時の最新の色を取り入れたオシャレということと判る。








オシマイ