予告

アストラギウス銀河をまっぷたつに分けた、
バララントとギルガメスのふたつの星系が
砲火を交えて100年。
両陣営の疲弊は極みにたっし、
ようやく終戦の燭光が見え始めた大戦末期。

辺境の小惑星リドの漆黒の闇のなかで物語は始まった。

「装甲騎兵ボトムズ」お楽しみに。
 
 

1話:

ロッチナの手を逃れたキリコを待っていたのは、
また地獄だった。

破壊の後に住みついた欲望と暴力。
百年戦争が生み出したソドムの街。

悪徳と野心、頽廃と混沌とを、
コンクリートミキサーにかけてぶちまけた、
ここは惑星メルキアのゴモラ。

次回「ウド」

来週もキリコと地獄につきあってもらう。
 
 
 

2話:

食う者と食われる者、そのおこぼれを狙う者。
牙を持たぬ者は、生きてゆかれぬ暴力の街。

あらゆる悪徳が武装する、ウドの街。
ここは百年戦争が産み落とした惑星メルキアのソドムの市。

キリコの躰にしみついた硝煙の臭いにひかれて、
危険な奴らが集まってくる。

次回「出会い」

キリコが飲む、ウドのコーヒーは苦い。
 
 

3話:

かつて、あの重々しき歌に送られた戦士達。
故国を守る誇りを厚い装甲に包んだ、
アーマード・トルーパーの、 ここは、墓場。

無数のカリギュラたちの、
ぎらつく欲望にさらされてコロッセオに
引き出される、ウドの街の拳闘士。

魂無きボトムズたちが、
ただ、己れの生存をかけて激突する。

次回「バトリング」

まわるターレットから、キリコに、熱い視線が突き刺さる。
 
 
 

4話:

最も危険な罠。それは不発弾。

たくまずして仕掛けられた地中の闇に眠る殺し屋。
それは、突然に目を覚まし偽りの平穏を打ち破る。

ウドは巨大な罠の街。
そこかしこで、信管をくわえた不発弾が目を覚ます。

次回「罠」

キリコも、巨大な不発弾。自爆、誘爆、御用心。

 
 

5話:

人の運命を司るのは、神か、偶然か。
それは、時の回廊をめぐる、永遠の謎かけ。

だが、キリコの運命を変えたのは
素体と呼ばれたあの物体。

小惑星リドの闇の中で走り抜けた戦慄が、いま、ウドの街に蘇る。

次回「素体」

ヂヂリウムのシャワーのなかから、美女がほほえむ。
 
 

6話:

ウドという汚れの海に、見え隠れする、素体という氷塊。
どうやら、水面の下の謎の根は深く重い。

人の運命は、神が遊ぶ双六だとしても、あがりまでは
一天地六の賽の目次第。

鬼とでるか、蛇とでるか、謎に挑む敵中横断。

次回「襲撃」

キリコ、あえて火中の栗を拾うか。
 
 

7話:

ファウストは、メフィスト・フェレスに心を売って明日を得た。
マクベスは、3人の魔女の予言にのって、地獄に落ちた。

キリコは素体に、己の運命を占う。

ここ、ウドの街で明日を買うのに必要なのは、
ヂヂリウムと少々の危険。

次回「取引」

ウドの商売には、死の臭い。
 
 
 

8話:

昨日の夜、すべてを失くして酸の雨に濡れていた。

今日の昼、命を的に夢買う銭を追っていた。

明日の朝、ちゃちな信義とちっぽけな良心が、 瓦礫の街に金をまく。

ウドは百年戦争が作ったパンドラの箱。
質を問わなきゃ なんでもある。

次回「救出」

明後日(あさって)・・・そんな先のことはわからない。
 
 
 

9話:

敵の血潮で濡れた肩。地獄の部隊と人のいう。
ウドの街に、百年戦争の亡霊が蘇る。

パルミスの高原、ミヨイテの宇宙に、無敵とうたわれた
メルキア装甲特殊部隊。

情け無用、命無用の鉄騎兵。

この命、金30億ギルダンなり。
最も高価なワンマン・アーミー。

次回「レッド・ショルダー」

キリコ、危険に向かうが本能か。
 
 

10話:

鉄の騎兵が走る、跳ぶ、吠える。機銃がうなり、ミサイルがはじける。
鉄の腕(かいな)が、秘密の扉をこじ開ける。

炎の向うに待ちうける、ゆらめく影は何だ。

いま、解き明かされる、小惑星リドの謀略。
いま、その正体を見せる、素体の謎。

次回「逆襲」

キリコ、牙城を撃て。
 
 

11話:

百年戦争とリド、素体、キリコ、ウド、パーフェクト・ソルジャー。
もつれた糸を縫って、神の手になる運命のシャトルが飛び交う。

アストラギウス銀河に織り成される、神の企んだ紋様はなに。
巨大なタペストリーに描かれる壮大なるドラマ。

そのとき、キリコは叫んだ。フィアナ!!と。

次回「絆」

いよいよキャスティング完了。
 
 
 

12話:

降り注ぐ火玉。舞い降りる鉄騎兵。
欲望と秘密と暴力の街、ウドが燃える。

圧倒的、ひたすら圧倒的パワーが蹂躙しつくす。

ささやかな望み、
芽生えた愛、
絆、
けなげな野心、
老いも若きも、
男も女も、
昨日も明日ものみこんで走る、 炎、炎。

音をたててウドが沈む。

次回「脱出」

不死鳥は、炎を浴びて蘇る。
 
 
 

13話:

なにもかもが、炎に沈んだ。
ほほえみかけた友情も、 芽生えた愛も、秘密も。

そして、あらゆる悪徳も同じだ。
すべてが振り出しにもどった。

兵士は、死んだ魂を疲れた躯に包んで、泥濘と、硝煙の地に向かった。

次回「アッセンブルEX−10」

傭兵は、誰も愛を見ない。