国立西洋美術館 「内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」観覧



中世(12世紀~17世紀くらい)では印刷術が未発達だったので本はすべて手で書写した写本であった。
その当時の写本からバラされたページの個人コレクションが寄贈され 今回の展示になったとのこと。




 
羊皮紙とよばれる獣皮から作られる薄いシートに描写されている。



全て手描きであり、その作業コストも含めて高級品なので金泥や金箔といった豪華な装飾挿絵が描かれることが慣例となっていたらしい。


 
修道士が携帯したコンパクトな聖書の一例。
文字サイズが4mm未満という細かさに、あちこちに書体や色を変えて読みやすくしようと工夫したらしい。




文章の冒頭を示す飾り文字も手描きだからできるデザインと版組 


羊皮紙も貴重だったはずでも贅沢な余白使いで利用している。 


 
文章を囲む花飾りなども活字印刷では失われた意匠 


 
3種類のバージョン違いの文章を記載したパターン



家系図を軸に各時代の著名人を解説した文書






毎日 何回もある儀典の詠唱歌の文書。
楽譜としての記載もある。




















 

こういう装飾イラストも活字印刷では失われていった意匠


ピカピカの艶ありの金模様は特殊な接着材で盛り上げた部分に金箔を貼って艶を出すことで生まれている。













活字印刷に移行する直前の「黒い線画や文字は凸版印刷+手描きでの彩色やデザイン追加」で作られた写本 






 









カレンダーは聖人にちなむ日や農作業のタイミングを知るために用いられていた。













 





貴重な資料を堪能できた素晴らしい展示会でした。
オシマイ